今後取り組んでいきたいこと
こんにちは。 デコール東京・飯沼でございます。
6月1日号のデコール通信を編集してお届けいたします。
先日、所属団体でセミナー講師をつとめました。
「起業」がテーマだったのですが、「美スタビズ」というインテリアで起業する塾をやっているくらいですから、たいていの質問も大丈夫です。
ですが、最後に「これからどういうことをやっていきたいですか?」という私自身への質問は想定外で、一瞬言葉に詰まってしまいました。
数秒考えたのち、出てきた答えは「インテリアに芸術を取り入れるデザインを提案していきたい」というものでした。
今号はこれをテーマに書いてみますので、おつきあいいただけたら嬉しいです。
今後取り組んでいきたいこと
おしゃれなインテリアの代名詞のように「海外スタイルのインテリア」という言葉があります。
私自身、得意としているスタイルではありますが、日本の文化を否定しているようでもあり、少し残念な気もいたします。
もともと日本は古来から美意識に富み、芸術と生活が融合した文化を育んできました。
茶道や華道、庭園や建築など。
今もテーブルウェアに関しては芸術的で、多くの人が日常的に工芸品を使っていたり、季節の食材を季節の食器に美しく盛り付けていたりします。
これ、海外の人から見ると、驚くべきことのようですよ。
インテリアだって、過去には障子、襖、欄間、釘隠しなど繊細な木組み、彫刻や絵画など芸術的なものが多かったのに、今は「インテリアに芸術」を言ってもピンときません。
テーブルウェアのように、皆がインテリアにも工芸品的なものを取り入れてもいいはずで、その心は本来持っているはずなのに、そのノウハウがわからず、なんとなくお仕着せのインテリアの中で過ごしている人も多いのではないでしょうか。
19世紀後半に、「アーツアンドクラフツ運動」を主導したウィリアム・モリスというデザイナーがいました。
産業革命の結果、大量生産による安価で粗悪な商品があふれてしまったことを嘆き、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張した人物です。
ウィリアム・モリスのデザインが日本で人気なのも、日本人が本来持っている美意識と通じるものがあるからかもしれません。
考えてみれば、その当時と同様に、今の日本には大量生産による安価な製品があふれています。
ただ、粗悪ではなく、よくできているものが多いです。
安くて早く施工できて、機能的。
見た目もプリント技術の進化で本物そっくり。
それはそれで大変ありがたいのですが、だからこそ、芸術的な要素を取り入れると、空間に上質な個性が加わります。
ちょっと装飾品に取り入れることなら、誰にでもできそうです。
そしてご予算や時間がある方には、ぜひ建材や大きな面にも芸術的な要素を取り入れていただきたいと思います。
この芸術的な要素の定義が難しいですが、美術品で家を埋め尽くすようなことではなく(それができる方はいいですが)、
・手仕事など温かみや質感の感じられるもの
・デザイナーの思いと共鳴できるようなもの
・ご自分でデザインするようなもの(アイディアだけでもOK)
などを含みます。
そして作家はギャラリーで作品を展示するだけではなく、もう少し生活者に近づいて活躍してもいいでのではないのでしょうか。
壁を彩ったり、面白みのない家具に絵を描いたりするなど。
インテリアに芸術的要素を取り入れることは、単に美的な要素を追求するだけではありません。
皆さんが本来誰もが持っている創造性を発揮し、唯一無二の空間を作ることになります。
またモノを大切にすること、他者と交流すること、そしてもちろん、心豊かな生活の実現につながります。
ご相談、喜んで承ります。
デコール東京よりお知らせ
◎リノベーション等、ご相談承ります。
大規模~小規模のリノベーションとインテリアコーディネートを承ります。
ワンランク上のインテリアアイテムもご紹介いたします。
◎美スタビズ、入塾募集中です。
インテリアを仕事にしたい、その可能性を考えたい方向けのコースです。
プライベートにも大いに役立ちます。
6月は壁の仕上げ材について詳しく学びます。
https://www.bista.jp/type03.php
◎美スタソサエティのご案内
「美空間スタイリスト講座」を終了した方のみご参加できるオンラインコミュニティです。
先日は、大阪オフ会が盛り上がりました。
様子は、インスタなどにあげています。
https://www.instagram.com/bista.jp/
編集後記
昨日は誕生日だったのですが、はじめてワインのペアリングをしました。
私はお酒に弱いので、ワインのペアリングは自分には全く関係ないものだと思っていましたが、「1杯くらい飲めるなら、少しずつ試してみてはいかがでしょう。」と言っていただき、チャレンジしました。
合計8種類も飲みましたよ。
熱心にご説明いただいたのですが、私はワインに詳しくないので、あまり頭に残っていません。あのワインが美味しかったなーという程度です(汗)。
同様に、「芸術と生活」をテーマにした今日のメルマガも、わかりにくい内容だったかもしれません。
タイトルも「今後取り組んでいきたいこと」と、自分が主語で独りよがりな感じですね。
誕生日に書いた原稿ということでどうかご容赦いただければと存じます。
今号も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
早くも雨の季節となりましたが、どうぞお健やかにお過ごしください。
※この記事は、月2回のメルマガ「デコール通信」を編集したものです。
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