リノベーション事例|モールディングを使って海外ドラマのようなインテリアへ

こんにちは^^ デコール東京・飯沼でございます。
築25年の中古マンションを購入してリノベーションし、理想の住まいを手に入れたお客様の事例をご紹介いたします。
クライアントは新聞記者で、長文でユニークな「お客様の声」もいただきましたので、最後に掲載しています。
また、こちらは、インテリア産業協会主催(経済産業省後援)住まいのインテリアコンテスト、リフォーム部門賞をいただいた物件です。
リノベーション概要
お客様は、30代の女性A様。
家族構成はご夫婦でしたが、A様の夢を実現するプロジェクトで、A様とのみ打ち合わせをしました。
アメリカで大ヒットしたドラマ 「SEX and the CITY」のシャーロットのような部屋にしたい、というご要望でした。
築25年の3LDKの中古マンションを買ってリノベーション。
間取りには問題なく、一部の設備を移動する程度でした。
前に住んでいた方(女優さん)はあまりお料理をしなかったようで・・・キッチンはとても綺麗。
当初はキッチンのショールームなどにも行きましたが、キッチンや洗面室などの住宅設備のリフォームは、もう少し経ってからにしましょう、ということになりました。
リノベーションのポイント
モールディングをしっかりと、上品に。
モールディングとは、下の画像でいう、扉以外の白い部分のことを言います。
(扉部分にも細いモールディングを四角く回し、表情をつけています。)
それぞれ部位によって名前がありますが、総称として「モールディング」と言っています。
これが入ると、グッと洋風な感じがします。
A様のご要望は、モールディングは必須、でもゴテゴテしたやりすぎ感があるのはダメ。
ということで、リビングダイニング、寝室、廊下に、しっかりと、かつ上品に見えるように施しました。
カーテンボックスのように角度がついた箇所は、モールディングが特に目立ちます。
コンセプトに合わせ、アメリカスタイルのモールディングを多用しています。
輸入壁紙、カーペットなど上質な空気感をつくる内装材
全体のムードを決める色合い、スタイル、グレード感など、いつも最初に「コンセプト」を考えます。
今回のコンセプトのキーワードの一つは、海外ドラマの登場人物、「シャーロット」。
A様の好み引き出しながら、シャーロットに「素敵!」と言ってもらえそうな、そんな視点で内装材を提案していきました。
選んだ内装材は、見た目もさることながら、上質な空気感をつくるもの。
色が綺麗で質感にも優れた輸入壁紙や国産の高級なカーペット。
ドアノブはアメリカからの輸入品。
電気のスイッチプレートにも受注生産品の特別なものを選んでいます。
一方で、既存の造作家具はなるべく活かし、粘着化粧シートを貼るなどしてお化粧直しをしていきました。
ホテルライクなインテリアをつくる照明計画
良い照明計画は、家具の配置なくしてはできません。
そのため、お手持ちの家具を活かす場合も、そうでない場合も、必ず家具の配置を先に行い、光の強弱をつけながら、必要なところに必要な明かりが灯るよう照明計画を立てていきます。
「ホテルライクなインテリアにしたい」「ホテルライクな寝室にしたい」という声をよく聞きますが、ホテルライクと一言で言っても、その色合いやスタイルなどデザインは様々。
共通項は、ベッドなどの置き方(家具の配置)と落ち着いた雰囲気の照明かと思います。
今回のベッドルームは、クローゼットの中を照らす照明以外は、テーブルランプ3灯のみにしました。
ランプ3灯は、ムーディーで、かつ暗すぎない明かりです。
そして、ホテルライクな部屋にするポイントは、電気配線。
入り口のスイッチでランプも点き、ベッドで消すことができる・・・という配線です。
(ランプの後ろにスイッチがあります。)
また、天井照明がないので、天井がとても綺麗。
横になった時、大きな照明器具が見えたり、ダウンライトがたくさん見えたりしないことは、実は落ち着くポイントです。
リビングダイニングや廊下なども、照明は十分に検討しています。
特に廊下は、玄関からまっすぐのびる廊下と、右に曲がる廊下と二手に分かれているため、誰かが廊下にいるときに電気を消さないよう、センサー式にしました。
廊下のスイッチの入り切りをする必要がなく、ドアを開けた時や、人が廊下にいる時には、照明がつきます。
そして誰もいなくなると、数秒でスイッチが切れます。
また、廊下も天井からの光ではなく、壁の照明(ブラケットライト)だけにしています。
リノベーション前の半分の光の量ですが、ふんわりと光が周り、いい雰囲気です。
また、アートを置く予定の場所にも光を配置しておきます。
このように、家具やアートなどの装飾品の配置を決めてから照明計画を行うことはとても大切です。
こだわりのインテリアアイテムたち
インテリア用品もこだわりました。
テーブルは、ドレクセルの特別塗装色。
椅子は、アメリカからの輸入品です。
キャビネットは、イギリス出張時に探してきました。
木と革と真鍮を使った、凝ったキャビネットです。
白いソファとクッションは、前に住んでいた方から引き継いだもの。
シミだらけだったので、このようなクリーニングをして、綺麗にしました。
センターテーブルは、オリジナルで製作。
シャンデリアは、アメリカからの輸入品です。
撮影時には間に合いませんでしたが、この後、ランプ類もアメリカから届きます。
ベッドルームのマットレスはお客様のお気に入りのもの。
そのサイズに合わせて、ベッドを作りました。
ナイトテーブルもオーダー品。
スタンドは、「シャーロット」と同じものをVisual Confortで発見! 輸入しました。
このように多くのものが、オーダー品、輸入品となりました。
国産既製品も探したのですが・・・A様のご要望もあって、このようになりました。
住まいのインテリアコンテスト、リフォーム部門、部門賞受賞
こうして完成したこちらの物件は、インテリア産業協会主催(経済産業省後援)住まいのインテリアコンテストで、リフォーム部門、部門賞を受賞しました。
選考理由は明らかにされていませんが、 「シャーロット」と言いつつも、A様らしさに拘ったことが評価されたとしたら、嬉しいです。
A様からは、「私そのもの。私が部屋になったみたい。」と言っていただきました。
長文で、「お客様の声」をいただきましたので、以下に掲載いたします。
お客様の声「インテリアのドラえもん」
「インテリアのドラえもん」
飯沼さんから「できない」という言葉をきいたことがありませんでした。
私が飯沼さんにインテリアをお願いしたのは、モールディングを使ったシックな部屋作りができそうだったからでした。
けれど、飯沼さんにお願いして良かった、と思った理由は、素敵なモールディングやカーテンができた。壁紙が素敵。いい家具を教えてもらえ、その中から選べた。それだけではありません。
私は古いマンションをリフォームしたのですが、そこにとても大きくて素敵な、古いソファがありました。なんとか使いたい、と思ったのですが、真っ白の布張りでしみだらけ。けれど「これはクリーニングで結構きれいになるんです」と簡単におっしゃいました。
収納の扉が古びているのが気になったのですが、それも「シートを貼れば大丈夫」。
ゴキブリなどの心配があったので入念な対策をお願いしたら「わかりました」の一言。
電気のスイッチ配線で、複雑なことをお願いしました。一度は「無理かもしれない」とおっしゃったのですが、業者と解決策を粘り強く相談し、最終的には全部、叶えてくれました。
また、細かいことですが、電気スタンドのスイッチ紐が、無粋なプラスチックなのが不満でした。無理だろうな、と思いながらも相談すると、即「チェーンのご用意はあります」。
それはもう、瞬時に解決してしまうのです。
これが、私が飯沼さんを「インテリアのドラえもん」だと思う所以です。本当に「いいぬまさーん」と言えば、「テケテケン」と、出してくれるのです。ポケットは、飯沼さんの知識と経験と人脈です。
家具の置き方、飾り物の置き方も、飯沼さんの言いなりで間違いないです。
アップライトピアノ、時計、絵・・・。どれも、提案していただいた場所が、家の中でベストかつ、そのモノたちが、最も輝く置き場所でした。
リフォームで心配なことに、予算があるかと思います。
ところが飯沼さんは、存外「締まり屋」です。予算の使い方をそれはもう、我がことのように考え、大きい予算でも、そうでない予算でも、その中で一番素敵になる方法を考えてくれます。
日本では「センス」の一言で片付けられがちですが、欧米では「インテリアは知性」と言われているそうです。室内装飾や、文化・風俗の歴史の知識が必要で、飯沼さんが欧米のそれらにとても詳しいことは言うまでもないですが、そういう「背骨」があるからこそ、飯沼さんのつくるインテリアが「なんちゃって洋風」にならないのでしょう。
今後も我が家のインテリアのドラえもんとして、末永くおつきあいさせていただきたいと思っています。
ありがとうございました。
