「現代アートってよくわからない」というあなたへ
こんにちは。 デコール東京・飯沼でございます。
9月後半です。
ようやく少し暑さも和らいでまいりましたね。
芸術の秋です。
今回は、アートに関連した話題でお届けしたいと思います。
「現代アートってよくわからない」という方のヒントになれば幸いです。
(トップの画像はロンドンのフリーズアートフェアでの一コマです。)
「現代アートってよくわからない」というあなたへ
具象画というのは、目に見えるものの描写です。
昔は写真のような役割があった具象画ですが、写真の普及と共にその役割が変わってきました。
そして登場したのが、コンセプチュアルアート。
目に見えないアイディアやコンセプトを、作家独自のスタイルで表現するアートです。
当然ながら具象画に比べてわかりにくく、それが 「現代アートってわからない」と言われる理由のひとつです。
先日、芸大の油絵専攻だった作家さんとランチをしました。
その時の会話が、「現代アートってわからない」という問いに対する、よりわかりやすい答えになると思ったのでシェアしたいと思います。
彼女は抽象画を描くアーティストなのですが、具象画を描きたくなることはないのか、と質問してみたところ、
上手すぎてつまらないから描こうとは思わない、
とおっしゃるのです。
(ご本人の名誉のために言っておきますと、「上手すぎて」という表現ではなかったのですが、意味としてはそういうことです。)
芸大といえば、言わずとしれた日本でトップの美大です。
合格した時点で全員が実物そっくりに描ける力量があるのですから、具象画では他の人と自分の絵の違いがよくわかりません。
ましてや、今は AIが絵を描いたり、写真を絵のタッチにできるアプリがある時代です。
実際、芸大の油画では対象をそのまま上手く描くようなことは求められません。
求められるのは、自ら問いをたてて生み出していくこと。
課題も、「あなたにとっての存在を表現しなさい」といった哲学的な問いだったり、「紙に絵を描きなさい」だけの究極にシンプルな問いだったり。
学生は多くの時間をかけて問いを続け、降りてくる答えを待ち、自らの感性と掛け合わせ、何度も推敲しながら、言語化できないようなものを絵やインスタレーションなどで表現していくのです。
言語化できないのですから、見ている方は「よくわからない」となるのですが、この過程を考えれば、「説明して」というのも無理がありますね。
無理に言葉で理解しようとせず、唯一無二のその作品を見て楽しめればいいのだと思います。
もう一つ、現代アートの価格がよくわからない、ということもよく聞きます。
価格には、基本となる考え方があり、作家のキャリアや方針を尊重しながら、ギャラリーと作家で合意した価格を設定するのが一般的です。
需要と供給ですから、売れる作家というのは少しずつ価格も上がっていきます。
一方、ウンと高い有名作家というのは、特に強いメッセージ性や個性があり、アート業界のそれなりの立場の方に評価されています。
それを理解するには、時代の前後の流れやアート業界での作家の立ち位置を知識として知らなければなりません。
その絵だけを見て価値を判断するというのはそもそも不可能なのですから、難しく考えず、自分の感性と対話しながらアートを楽しめるといいですね。
そして大好きな絵に出会えたら、購入が可能な価格帯なのかどうか検討してみましょう。
真剣に見ることでわかることがありますし、アートがより身近に感じられるようになるでしょう。
お気に入りの絵を飾ることで、空間が生き生きとしてくることを感じられたら、とても幸せなことです。
そのアートを空間とコーディネートさせることは、あなたならではのセンスを発揮することでもあります。
きっと素敵な空間になりますね。
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編集後記
秋になったら洋服のコーディネートを楽しめるようになりますが、一方で面倒と思ったりもします。
夏の間は、制服のように同じようなTシャツを着ていました。
実際、同じTシャツを複数持っています。
私はどちらかというと、シンプルなスタイルが好きで、アクセサリーなどで変化をつけたりしています。
これはインテリアにも向いているスタイルです。
シンプルな空間にアートで変化をつければ、失敗することなく素敵な空間を創ることができるでしょう。
ちなみに私の自宅のインテリアはシンプルではありません・・・。
インテリアに関しては、組み合わせの面白さを楽しみたいと思っています。
皆さんはどちらのスタイルが好きですか?
それではまた。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※この記事は、月2回のメルマガ「デコール通信」を編集したものです。
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